ヒプノセラピー体験

 私は、厳格で独裁的な父・影では文句を言いつつも父に従っている母の元で育った。
 昔は子供にはかなり甘かったはずの親父さんだったが、いつしか仕事で嫌な事があると家族に当り散らす、暴君に
なっていた。
 5分前まではOK・何の問題ナシだったものが、その時の父の気分次第で”許せないもの”に変わるので、一緒にい
る家族は堪らない。父の不注意で何かをこぼせば置き方が悪いから と、怒鳴りつけた上に物を投げつける・杖で殴っ
たりもする。怒りをぶつけたい為に難癖をつけたりもする。
 何が父の起爆剤になるのか家族にも全く見当が付かないから、怒らせない様にする事自体が困難だ。薄氷を踏む
思いか 地雷原を歩く思いか、父が家にいる時間は小さくなって過ごしていた。
  大人になった今は、親父さんもあの頃は仕事絡みで大分辛かったんだべ と思えるが、その時はただ父が怖くて堪
らなかった。父を怒らせない様に それだけに心を砕く毎日。
 その結果かどうか判らないが、いつしか 自分が〜だと思っても自己表現下手・周りの顔色を伺って波風立てない
様・相手に気に入られる様に過ごす人間になっていた。
 人間関係で躓くと、相手が悪いと頭で判っていても、心の何処かで”私が何か気に障る事をしたのでは?”と被害
妄想じみた考えに囚われた。自分に落ち度があった場合は、尚更 執拗なまでに自分を責め続けた。
 そして数年前、心底信じていた相手に手酷く裏切られた。
 これは相手の過失・軽率から起きた事件だったが……それでも”自分が悪かった”と思う私がいた。
 あれ?これは何かおかしいぞ?何故、私は”私”を悪く思うんだろう?一生自分を否定して過ごすのか?
 それでは自分が可哀想過ぎるのでは?前向きに生きる為に自分を認めてみよう と、ヒプノカウンセラーの門を叩い
た。
 カウンセリング通いを始めて数回目。
 ヒプノカウセラーの誘導で”2歳の女の子”のイメージが出てきた。
 女の子は赤いスカートを穿いて、大きな虎と遊んでいた(普通は虎の側に居たら危ない というのはさておき)人は
居ないのかと見回しても、家族らしい人影は何もない。
 女の子に 他に誰か居ないのか訊いてみたが、虎さんの他は誰も居ないよ と言う。
「皆、思い通りになって欲しいって言うの。誰も私の気持ちは考えてくれないの。だから、誰も要らない。虎さんがいて
くれるからいい」
 そうか、これは”周りに合わせ続けて疲れた 幼い頃の自分”だ。周りの顔色を伺ってきた結果、私はこんなに疲れ
果てていたんだね。本当は自分の気持ち・考えはたくさんあったのに、全部抑える様にしてきた。
 私は女の子の気持ちを受け止め、今まで虐げてきた自分自身に詫びた。
 何故 虎のイメージか考えてみると、何処かの神話で虎は母性・愛情の象徴。あれは”愛される為に周りに合わせ
続けた、愛されたかった心”でもあったのか と思った。
 これはインナーチャイルド(潜在意識下の子供時代の意識)に会って来たわけだけど、これってどんな事なの?と訊
かれる。
 子供の頃、辛い体験をしたとする。でも、その苦痛を意識したままでは先へ進めないから、それを封印・嫌なものは
忘れて成長する。
 ところが、表面上は忘れていても潜在意識では”あの時、とても悲しかった”等、苦痛をしっかり覚えているから厄
介。その”辛い悲しい思い”が、本人に影響を与えてしまう。
 そんな訳で、子供の頃の苦痛 を解放・癒す為に、プロの誘導で潜在意識下の自分(ex:インナーチャイルド)に会い
に行くのだ。簡単に言ってしまうと、私は”私”に会いに行く って感じだろうか?
 過去の辛い出来事自体は変えられないけど、それで傷ついた”昔の自分の想い”を癒す事はできる。
 辛い事は「うん、辛かったんだね」と痛みを共感する、それで良い。


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